大学入試において、いわゆる「総合選抜型」の入試が広がる傾向の是非が話題です。
海外から大学受験を目指す高校生にとっては、もしかするとあまりピンとこないトピックなのかもしれません。
帰国生入試や海外大の入試は、基本的には総合選抜型の入試に近い形態が多いので、人物や活動評価を含めた受験を意識した準備をしている受験生がほとんどだからです。
今回は、海外生にとっての学力試験とそれ以外の要素の評価について考えたいと思います。
「帰国生入試」において、いわゆる一般入試に該当するような学力試験は存在するのでしょうか?
現状では、10年ほど前と比べて、学力試験一発勝負、あるいはその比重が極端に高い試験は減ってきているように思います。例えば、以前は早稲田大学の帰国生入試と言えば、一般入試と同じように学力試験一発勝負というイメージでした(もちろん、学部にもよりましたが)。それが、現在ではほとんどの学部で帰国生入試が姿を消し、海外生のみを対象としてる試験は一部に限られるようになりました。
このように、帰国生入試における状況は以前とは変わりつつある現状ですが、今も一部で一般入試と同じような数学の試験などを受けなければならない場合も存在します。
一般入試の学力試験と同じような位置付けかどうか判断は難しいですが、小論文が必要な入試は学力試験の要素が含まれると思います。
では、海外生は学力が求められない、あるいは学力の比重は低いのかというと、そんなことはありません。
インターや現地校に通っている限りは、その学校が採用している教育制度の統一試験を受験しなければなりません。
ドイツで学ぶ高校生にとって代表的なものはIBやAbiturです。履修している科目の授業での学習の積み重ねの上での試験なので、日本の一般入試のような当日の学力試験一発勝負とは異なりますが、学力が高いと良い結果になるという点ではやはり学力テストの色合いが濃いことに違いはありません。
また、英語ネイティブでない限りはTOEFLやIELSTのような英語試験を受験しなければなりません。
日本の一般試験のように分かりやすい形での「受験勉強」という形ではなく、長期にわたって学力を上げる取り組みが続く
のが海外生が挑む入試の実態だと思います。
ですので、早い時期から来るべき「入試」に向けて取り組まなければならないのは実は海外生であり、最終学年になってから「そろそろ重い腰を上げて頑張ろう!」と思ったときには、やれることが限られているということにもなりかねないリスクを意識しておくが大切です。
また、日本の大学でも秋入学を目指す、あるいは海外大学を目指す場合は、出願時にどんな活動をしてきたのかを詳細に説明する文書が求められることが少なくありません。アカデミックな活動であったり、社会的意義のある活動であったり、自身がどんな課題を設定してそれに取り組んできたのか、言語化して説明しなければなりません。
この部分が「総合選抜型入試」の一番目立つ特徴ではないでしょうか?これまでの日本の入試制度では、あまり焦点が当てられることがなかった分野です。
ただ、多くの海外生にとっては、学力試験とともに準備しなければならないものという認識が強いのではないでしょうか?
以上を総合して見てみると、海外生にとって大学受験を目指すということは、とてもやるべきことが多い状況を乗り切らなければならないということだと分かります。
また、制度上、分かりやすい形で「受験生」という意識が芽生えにくく、また早い時期から準備期間が始まっているという点で、一部で言われているような楽な入試ではないということは理解しておく必要があると思っています。
海外生のみなさん、早めの準備、始めていますか?
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